恥ずかしくてつい頭を勢いよく上げた。
「きゃっ!」
すると後頭部に痛みが走って、背後から短い悲鳴が聞こえた。
後頭部を押さえながら振り返ると額を押さえた女子生徒がいた。
お日様のような明るい茶色のふんわりとした髪にくりっとした二重の瞳。
制服のリボンが赤いからあたしと同じ二年生…だよね?
そしてこの状況はきっと、あたしが勢いよく頭を上げたから彼女の額にぶつかってしまったんだ。
「え、わ、ごめん!大丈夫!?」
「あ、大丈夫!私がすぐ後ろにいたからぶつかっちゃって…っ!」
眉をハの字にして笑う彼女は暖かくてまるで日だまりみたいだなと思った。
なんて思いながらつい彼女をじっと見てしまう。
「雀、あんた何やって……あれ、江坂さん?」
「え?あ、真白ちゃん!三学期以来だね!」
先を歩いてた真白が戻ってきて彼女を見たら、彼女の名前を呼んだ。
真白に江坂さんと呼ばれた彼女も真白を見たら顔の周りに花が咲きそうなほどに明るい笑顔を浮かべた。



