真白のあとを追いかけて教室に入る。
教室には去年も同じクラスだった子がいて、卒業までよろしくねと挨拶をした。
あたしの席である一番後ろの窓際の隣を見ると、既に隣に座ってる男子がいた。
黒髪のボリュームのあるマッシュボブ。
耳には二つのピアスが太陽の光に当たって輝いてる。
彼は誰とも会話することなくただ窓から外を見ている。
一応隣の席になることだし、挨拶しといた方がいいよね。
「…持田くん、隣の席になる小宮です。よ、よろしくね?」
異性とこうして面と向かって話すことがないから、語尾が疑問系になってしまった。
イヤホンをしていてもあたしの声が聞こえたのか、持田くんはチラッとあたしを見た。
よろしくだけ言われるのかも思ったら、彼は何も言わずにまた外を見た。
態度悪っ!
あたしが話しかけたの分かったよね?よろしくくらい言ったらどうなの!?
もうこいつとは話さないと決めた新学期初日。



