「ちゅんの家は変わらないんだね」
「え?うん。
りく兄も青と同じで東京にいたの?」
帰り道を歩きながら他愛もない話をする。
りく兄も青と一緒にいきなり姿を消したからきっと同じところにいたんだろうと思って質問してみた。
なんで青といなくなったのかと聞いてもきっとりく兄も青と同じようにはぐらかすと思ったからこのことは聞かないでおいた。
「うんそうそう。
大学も東京にしようとしてたんだけど、青がこっちに帰ってきたいって言うから付き添いでこっちの大学にしたんだ」
「…え?」
「おい、兄貴…!」
りく兄の言っていることがすぐに理解できなかった。
どういうこと?
青がこっちに来たいって言ったって……ほんとなの?
こっちに来て何をしたかったの、青は。
「…あ、青……」
「……もう家近いからいいだろ。じゃあな」
「あ、青?いきなり引っ張るなよ!ちゅん、またね」
青に聞こうとしたら間髪を容れずに青はりく兄を引っ張って歩いて行ってしまった。



