もしも叶うなら、私はもう一度この大空に恋をする。




驚いた反動で歩いていた足が止まる。



青はあたしの手を握ったまま自分の耳元へ近づけて、自分の耳にイヤホンをはめた。



「あー、これ聴いたことあるな。誰か聴いてたんだよな…誰だっけ」



ブラブラを聴いたことがあることに喜びたいのに握られたままの手が熱くて、鼓動が速くて胸が締めつけられるように苦しくてそれどころじゃない。



苦しい胸がどうにかなりそうで、手に少し力を入れて離れようとしたけど青の手にさらに力が込められた。



そして青はそのまま歩き出すから、もう片方のイヤホンをつけたあたしもイヤホンが外れないようにと足を進める。



それでも手は繋がれたまま。



…どうして?
もうあたしの手を握ってる理由なんてどこにもないのに。



なのにどうして力を入れて離そうとしないの?



そんなことされたら変に期待しちゃうよ。



青はもしかしたらあたしと同じ気持ちでいてくれてるんじゃないかって、自惚れるよ?