もしも叶うなら、私はもう一度この大空に恋をする。




いきなり耳元に背後から囁かれて肩を震わせた。
耳にイヤホンをはめてブラブラの曲を聴いていたけど、ちょうど曲間で曲が流れてなかったからなおさら驚いた。



勢いよく振り返るとそこには下駄箱に寄り掛かる青がいた。



「…この前は下駄箱で待っても来ねぇかと思ったら今日はもう教室にいないって、ほんと雀みたいにちょこちょこしてるよなお前」



青はため息をつきながら笑って、アタシの頭を髪が乱れるくらいに撫でてきた。



それ、ほめてるようには聞こえないんだけど……



でもあたしには青があたしのことを探してくれた、その事実が嬉しくて。



「それ、絶対ほめてないでしょ!」



緩みそうになる口角がバレないように青に背中を向けた。



今日もまた地面にあたしと青の影が並ぶ。
それが嬉しくてアタシは青に気付かれないように口角を上げた。