「ふんふんふーん…ふふ」
放課後。鼻歌を歌いながら下駄箱に向かう。
こんなにも機嫌がいいのは持田とブラブラの話ができたことはもちろんあるけど、それだけじゃない。
今度持田が最新シングル『ヘネシーに一本の赤い薔薇を添えて』のCDと最新ライブDVDを貸してくれるというのだ。
それを聞いたらもうテンションが上がらずにはいられないわけで。
持田も最初は愛想が悪いやつだと思っていたけど、話すと見かけによらずにいいやつで。
きっとあまり他人と関わるのは好きじゃないから関わり方が分からないだけなんじゃないのかと思った。
ブラブラの話をしている持田は表情には出ないけど、すごく楽しそうに見えたから。
明日も学校かやだな、なんていつもは思っていたけど今は明日が待ち遠しい。
「……早く来ないかな…」
「……待った?」
「…ひっ……!」



