もしも叶うなら、私はもう一度この大空に恋をする。




あたしは持田のイヤホンを無理やり引っ張って耳から外した。



「…も、持田く……っ!」



かなり勢いよくイヤホンをとったらその反動で持田のイヤホンがあたしの耳の近くにきて、そこから音楽が聞こえてきた。



しかもその音楽はあたしが大好きな声と歌ですぐに誰かわかった。



「…っいてぇな、何する……」


「も、持田!ブラブラ好きなの!?」


「……は?」



痛む耳を押さえながら持田に睨まれてることなんてお構いなしに顔を近づけた。



持田はブラブラという単語に目を丸くしたけど、すぐにいつもみたいに目を細めて目線をそらした。



「……そうだけどなに?」



こ、こ、こんな近くにブラストがいたなんて……!!



ちなみにブラストはブラブラに最上級をつけ、ブラブラファンのことをいう。



まじまじと持田を見ると持田の髪型とピアスが誰かに似ていた。
そしてそれはすぐに誰かわかる。