「え?次日本史だよ?」
何言ってんのという目であたしを見る真白。
いや、何言ってんのはこっちのセリフなんだけど。
というかなんであたしの心の中の声が聞こえてるわけ。
真白を見つめかえすとあたしが言いたいことが伝わったのか「いや、普通に声に出てたし」と一言。
「この前のHRで今日の数学が日本史に変わるって先生言ってたよ。
あんた聞いてなかったの?」
「……聞いてなかった…」
そういえば先生が「間違えるなよ」とか言ってるのは聞こえたけど、なんのことか分からなかったからいいやと聞き流してた。
それがきっとこの授業が変わる話だったんだ。
これはやってしまった。
どうしようという目で真白を見ると、今度は真白が深いため息をついた。
「…どうせ青くんのことで頭いっぱいだったんでしょ」
「なっ!そ、そんな頭いっぱいになるほど考えてないし…っ!」
「頭いっぱいになるほどじゃなくても考えてはいたんだ?」
「……う、……」
真白に痛いところをつかれて反射的に胸元のワイシャツを握った。



