「大雅…?」



その時ふと、志乃から視線を感じた。



志乃を見てみれば、俺を不安そうに見上げていて。



「どうした?」
「あ…えと…怖い顔、してたから…」



志乃に言われて初めて顔に出ていたと気づいた。



だから志乃は不安気に俺を見上げていたのだ。



「なんでもねぇよ。
ほら、映画観るぞ?せっかく来たんだから」



「うん…」



まだ不安そうにしてる志乃の頭を撫で、俺はようやくスクリーンに視線を向けた。