布団のせいではない。 今は梅雨入り前のこの季節。 暑いわけではなかった。 その時、暖かいだけでなく何かがひっつくような感触も同時にした。 もしかして… 「……やっぱり」 そっと布団を剥げば、俺の身体にぴたりとひっついて眠っている志乃の姿が視界に映った。 こいつは朝から何してんだよ…。 昨日、志乃はこの家に泊まっていない。 ということは朝早くにきて、俺のベッドに侵入したことになる。