「まだ志乃一人なのか?」
『うん、今日はお父さん帰ってこれないって…』



「そっか。一人でよく頑張ってるな」



あのひっつき虫な志乃が、家で一人よく我慢できていると思う。



『頑張れるのは大雅がいるからだよ。
今日寝たらね、明日の朝また大雅に会えるから。


また甘やかしてもらうの。
大雅にぎゅーって、してもらうの……』



だんだんと志乃の声が弱くなっていった。
眠くなってきたのだろう。



それにしても、電話越しにそんな可愛いこと言われても困る。