「今日、泊まっていくか?」



俺の言葉に、志乃は顔を上げて一瞬嬉しそうな顔をする。



けどすぐに首を横に振った。



「今日は、大丈夫…そんな頻繁に泊まるのは迷惑だから…」



頻繁にって言っても前に泊まったのはもう二ヶ月以上前の話だ。



「なんでこういう時は気を遣うんだよ」
「だって、幼なじみでも家族にはなれないもん…」



ぽつりと吐いた志乃。
目には涙が浮かんでいる。



やっぱり…寂しいのだ。



母親はいなくて、父親は中々会えない環境にいるから。