案の定、また顔を真っ赤にする志乃。
忙しいやつだな…表情コロコロ変えて。
「……良かった…」
そんな志乃は安心したように良かったと言うだけで、また俺に抱きついた。
「逆になんだと思ったんだよ」
気になったから聞いてみると、志乃は言いにくそうに答えた。
「私が…大雅にばっか甘えるから、いい加減にしてほしいって意味だと思った……」
キスした後に普通そんな意味を込めて言うか?
けど志乃がそう思ってしまったのなら仕方ない。
安心させてやらねぇと。
「志乃が甘えてきて、一度も嫌とか思ったことねぇよ。むしろ嬉しい。
俺にだけ甘えるから」
本当のことを言えば、急に志乃が顔を上げて俺を見てきたから驚いた。



