視線のやり場に困っている志乃が愛しくて、その赤く染まる頬に触れた。



「た、大雅…あの……」
「ん?」



ここでようやく志乃が話そうとするが、視線は交わらない。



「き、キスする時は…言ってほしい、です……。
不意打ちだと、し、心臓が…持たないの…」



途切れ途切れに話す志乃は恥ずかしそうで。



前もって言えってことは、キスすることに関してはどうやらいいらしかった。



俺にキスされてもいいって思うのはどうしてかっていうの、もっと深く考えてほしいんだけど。



そしたら何か変わるかもしれねぇし。



少なくとも照れてるということは男として見られているのは確かだ。



だがそこまでに留まっているから幼なじみより先に進めない。