「大雅……?」
「ああ、悪い。
ここは…」
ダメだ。
一瞬理性が飛びそうになった。
こういうことがたまにではなく多々あるから困る。
俺が教えてる間、さらに俺にひっついて袖をそっと掴んできた。
自然に掴んでるつもりだろうけど、全く自然じゃない。
「わかったか?」
「うん、わかった。ありがとう」
わかったと言ったっきり、志乃は黙って俺から離れようとしない。
「志乃、どうした?」
何かあったのかと思い聞いてみるが、志乃は首を横に振るだけ。
「続き解かないのか?」
今度は返答しやすい質問をすると、志乃が口を開いた。
「まだこうしてたい…」
そしてさっきよりも強く俺の袖を握る。