じっと、睨んでるつもりで見上げてくる志乃。
けど逆効果だ。



全然怖くねぇ。



「毎回断ってて友達に失礼だと思わねぇのか?
佐野とかいつも志乃と遊びたがってるぞ」



俺が正論を言えば、志乃は図星のようで黙ってしまう。



「……志乃はいい子だから佐野の気持ち、ちゃんと考えられるよな?」



さっきよりも優しく言い、軽く頭を撫でてやれば志乃はまた眉を下げた。



「うー……」
「な?」



もう一度優しく聞けば、志乃は小さく頷いた。



どうやら折れてくれたようで良かった。