どうやら今日の放課後の話をしているようで、志乃も誘われたらしい。
けど、この後志乃がどう返答するのか。
だいたい予想はつく。
「あ……ご、ごめん。
今日無理なんだ、早く家帰らないといけなくて…」
ほら、やっぱり。
申し訳なさそうに途切れ途切れ話す志乃が遠くからでもわかった。
「志乃の家、厳しいの?
いつも都合悪いよね」
志乃と一番仲の良い佐野が、寂しそうに言う。
「ご、ごめんね、いつもタイミング悪くて…」
「でも理由あるなら仕方ないよね。
次は志乃も行くよ!
こうなったら強制だ」
佐野はそう言って笑い、俺と同じように視線をそっちに向けていた秀紀が「可愛いな」と声を漏らした。



