「大雅、朝だよー」



当たり前のことをもう一度言われると同時に、志乃は俺に抱きついてきた。



これも毎朝の習慣のようなもの。



「志乃、準備するから離れろ」



毎朝、押し倒したい衝動に駆られる俺の気持ちをそろそろ考えてほしい。



「嫌だ、大雅にぎゅーってしたいの」



なのに志乃はさらに甘いことを言う。



昔からそうだった。
志乃は幼なじみである俺にだけ甘える。



決して恋人関係ではないというのに。