「うー……」
俺の言葉に対し、志乃は拗ねて唸る。
そして俺の顔をじっと上目遣いで見つめる志乃。
そんな風に見られて、二人きりなら絶対キスしていたところだった。
「そんな顔してもダメだ。
我慢したら、家で好きなだけ甘えていいから」
「……ケチ…」
「じゃあもう家でも我慢だな」
「……っ、それは嫌だ…そんなこと言わないでよ…」
少し意地悪してやれば、今度は捨てられた子犬のような目をして俺を見てくる。
ちょっとやりすぎたか。
まあ今突き放したところで、結局家では甘やかしてしまうんだけどな。
こんな可愛いひっつき虫をほっとけるわけがない。
「なら我慢できるか?」
「うん、我慢する…」
俺の言葉に肯定する志乃が愛しくて、志乃の頭を軽く撫でてしまう。



