「おい、志乃。
わかったからとりあえず離れろ」



「やだ」



「じゃあ昨日みたいに恥ずかしいことするけどいいのか?」



「……っ、ず、ずるい…!」



昨日、抱きかかえられたのが相当恥ずかしかったようで、照れた志乃は俺から離れる。



「先に準備してからだ」
「むー…意地悪…」



付き合っても付き合ってなくても、志乃のわがままで甘えたがりは健在らしい。



志乃は名残惜しそうに俺を見ていたが、気づかないフリをしてベッドから降りる。



そこでようやく志乃も降り、先に部屋を出た。