「何がそんなに嬉しいんだよ」 志乃の様子を見ていると、いつのまにか眠気なんて吹っ飛んだ。 「なんでって、大雅の彼女になれたこと! 夢みたいで嬉しいの」 聞くんじゃなかったと、後悔してももう遅い。 最悪だ。 志乃は朝から心臓の悪いことを言う。 でもこれは素、なんだよな? これじゃあ天然鈍感なのか、それとも違うのかわからなくなる。 いやもう実はわかってて言ってるのかもしれない。 だとしたらただの小悪魔だ。 タチが悪い。