「じゃあね、二人とも。 夜ご飯は作ってあるから温めて食べてね」 そして家に着くなり、母親はすぐに行ってしまった。 「じゃあまず荷物の整理するか」 「……あとでする…」 「あとでって、絶対今しねぇと明日になるだろ」 「ならない…先に大雅にぎゅっとする…」 それだけ言って俺の服を掴んで離さない志乃。 「それ、約束できるか?」 きっと志乃のことだ。 今日、泊まりたいと言いかねない。 いや、言うだろうな。