「ああ、大丈夫だから気にすんな」
ここまで言ってようやく志乃が安心したように笑った。
「良かった…大雅、良かったよ……」
志乃がそう言って俺にきつく抱きついてくる。
だから可愛いことを今するべきじゃない。
けどそんなこと言ったら志乃は泣く。
今の志乃は特に涙もろい。
なら、少しぐらい照れさせてやろうと思った。
「志乃、わかったら戻るぞ」
「……むー…」
いつもは駄々をこねるが、場所が場所だけに今日は嫌がりながらも素直に離れる志乃。
そこを狙い、俺は不意打ちで志乃に近づきキスを落とす。
触れるだけのものだったが、それだけで志乃は顔を真っ赤にさせた。



