そして少しして、空港に着いたのだが…



「志乃、大雅くん困らせるなって言ったばかりだろう?」



「やだっ、離れたくない降りたくない…!!」



志乃はいつまでも俺にひっついたまま離れようとしない。



時間に余裕はあるのだが、今のうちに離しとかねぇと後々苦労する。



「志乃、大雅くんが優しいからって甘え過ぎだ。


ちゃんと甘えていい時とダメな時の区別をつけなさい」



「……うう…」



聡介さんは怒るわけでも叱るわけでもなく、どちらかといえば子供をあやすように話す。