「けどあんまり大雅くん困らせたらダメだぞ?」
「困らせたりしてないもん…!」
嘘つくな。
どんだけ俺が困ってると思ってんだ。
志乃が可愛いことする度に俺がどんだけ苦労してることか。
なんて言ったら志乃が落ち込んで、最悪の場合泣く可能性もあるから黙っておく。
そんな中、目的地の空港へと近づいてきた。
すると志乃は聡介さんのことを気にせず、さっきよりも大胆に俺にひっつく。
二人きりの時だって言ってんのに、聡介さんの前ならいいって言った覚えはない。
けど志乃の表情があまりにも暗いから何も言えなかった。



