こうなれば仕方ない。
「……まだ寝ないからとりあえず離れろ」
俺がそう言えば、志乃は従い俺から離れた。
目を開ければ志乃はまた嬉しそうに俺を見つめていて。
本当に単純だな。
コロコロ表情が変わる。
さっきの仕返し、といえば語弊があるが、今度は俺が志乃の頬に触れた。
そっと優しく撫でるように触れると、志乃の頬はだんだんと熱を帯びていく。
そんな志乃は照れるのも早い。
ただ、暗闇のため、はっきりと照れた表情が見えないのは残念だ。
「…大雅…」
「どうした?」
「明日から、寂しい…」
「大丈夫だ、修学旅行帰ってきたらすぐ甘えていいから」
「ほんと?」
「ああ」
「…嬉しい、ありがとう……。
本当に大雅、大好き…」
またふわりと笑って可愛いことを言い出すから、俺は限界寸前。