「じゃあ俺の使っていいからさっき渡したやつ貸せ」
「嫌だ」
「…は?」
「渡さないもん…」
「俺は枕無しで寝ろって?まあいいけど」
「ち、違う…!」
なんかもう志乃が何をしたいのかわからねぇ。
俺の枕は使うわ、さっき渡した枕は俺に渡そうとしないわで意図が全く掴めない。
しかも枕なしで寝ると言えば違うと言ってくる始末。
すると志乃が、ようやく自分の意図を俺に伝えた。
「大雅も一緒の枕、使うの」
そう言って志乃は俺の服を優しく引っ張る。
わかってる。
志乃のことだ、少しでも近くで寝たいということは。
わかってるはずなのに一瞬そのことが頭から離れ、無意識に手を伸ばしてる自分がいて、慌てて我に返る。
「…電気消してくる」
一度安全のために志乃から離れ、服を掴んでいた志乃の手が離れた。
暗くなれば相手が見えにくくなるし、少しは落ち着けるかもしれない。



