みんなが騒がしい中、志乃は暗い顔をして一人で黙っていたところを女が話しかける。



「あっ……ううん、楽しみ、だね…！」



言葉に詰まらせながら話す志乃は全く楽しみそうじゃない。



席が離れていても暗い表情に楽しみそうじゃない声の志乃が見えた。



理由はまあなんとなくわかるのだが、行けば楽しくなるだろうと思う。



「俺はこの修学旅行で決めるぜ！」



一人考え込んでいたらいつのまにか担任の話が終わり、休み時間のように移動して話すやつらがいる中、秀紀が俺の席にやってきた。