「大雅、本当にここで大丈夫だよ…!」 志乃の玄関に来たところで、笑顔でそう言われる。 残念ながら俺には無理してる感がバレバレだ。 「俺は大丈夫じゃねぇ」 そんな志乃の意見は無視して、家の中に入る。 半ば強引に志乃を連れ込めば、途端に志乃の目に涙が浮かんだ。 「……大雅…」 「…バカ。俺の前まで無理すんなよ」 いつもは志乃からだが、今日は俺から志乃を抱きしめてやる。 すると志乃はぎゅっと俺の服を掴み、身体を預けた。 少しして聞こえてくる泣き声。 案の定、我慢していた。