結局七時が過ぎても聡介さんが来る気配はなく。
リビングに座る四人の間に静かな沈黙が流れ、両親ともに志乃を心配した表情で見ていた。
けど、そんなのダメだ。
心配した表情で志乃を見てしまえば、きっと志乃は……
「せっかく大雅ママとパパが誘ってくれたのに、お父さん来なくてごめんね。
こうなったらお父さん抜きで楽しんでやる!」
気を遣うに決まってる。
志乃はそういうやつなのだ。
明るく笑い、いつもの調子で話す志乃に両親は安心したような表情をする。
だが志乃は明らかに無理していた。
俺にはわかる。
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