「絶対守らねぇだろ。
ほら、立て」



俺が無理矢理立ち上がれば、志乃は抱きついたまま立ち上がる。



こいつは……。



仕方なくそのまま歩けば、志乃は後ろから俺に抱きつく形でついてきた。



「ぬいぐるみ扱いするな」



「大雅はぬいぐるみじゃないもん。
ぬいぐるみじゃ嫌だもんね!大雅がいい」



どうやら俺のこと、ぬいぐるみ扱いをしてるわけではないようだった。



それから二階に行く時も離れようとしない志乃。



「怪我するなよ」
「ぎゅってしてるから大丈夫」



結局志乃はまた一階に戻るまで離れようとしなかった。