「すごい幼児化したね、志乃」
「大雅の前だけだよ」
「志乃ちゃん、やっぱり俺の方に」
「絶対嫌!!」
終いには二人とも、今の志乃に興味を持っていた。
こうなることが目的じゃないのに、だ。
「くそー、大雅いいなぁ」
「嫌だよ!
菅野くんに大雅はあげないもん!」
秀紀は明らかに俺を羨ましがる言葉だったのだが、志乃は自分のことだと勘違いしだし、秀紀を睨みだした。
その睨み方も可愛いから怖くはないが。
「……えっ、ちょ志乃ちゃん!?
俺そういう趣味じゃないから!」
「菅野くんなんか嫌いだ」
「大雅、嫌われたよ俺敵対視されたよ俺ー!」
ぎゃーぎゃー喚きだした志乃と秀紀。
これじゃあガキが二人いるようなもんだ。
もう少し大人しくしてほしい。
志乃は別に構わないが、秀紀は特に。



