少し無理矢理引き剥がせば、志乃は膨れっ面になる。



「むー……」
「志乃、今回こそ頑張るんだろ?」



志乃は毎回、次こそ俺とワンツーで並ぶと言っていた。



「だって…頑張っても大雅に届かないんだもん」



「じゃあもうやらないのか?」
「……やる」



最終的に志乃が折れ、また勉強を始めるのかと思いきや……



「……志乃」
「や、やってるもん…!」



俺の腕に絡みつきながら何やらプリントを見ていた。



「頭入ってねぇだろ」
「入ってる…!問題出したら答えれるもんね!」



確かに志乃なら答えられる。



授業は真面目だし、毎日家で俺と一緒にコツコツ覚えているからだ。



だからって勉強の態度の問題だ。
特に二人の前で……。