「でも俺は嫌なのか…くそー、傷ついた」
全然傷ついてなさそうなのに、軽い調子で秀紀は言う。
そんな秀紀を見て、志乃はもう一度口を開いた。
「菅野くんがダメなんじゃなくて、私が大雅しかダメなの…!」
そしてもう一度、俺の方を向いて抱きついてくる。
せっかく二人の距離を縮めるための勉強会なのに、これじゃあ志乃の本性を見せて終わりになってしまう。
「志乃、終わりだ。
勉強するぞ」
「嫌だ、私はずっとこのままでいる」
「志乃がこんなんだったら、秀紀や佐野も困るだろ?」
「困らないもん…」
「なんか…うん、すごいね。
志乃って加藤くんの前じゃこんな感じなんだ。
いいよ、私たちのことはほっといて」
さっきの秀紀の態度に傷ついたからか、佐野はそれ以上驚くことはなく、割り切っているようにも見えた。



