「ほら、志乃ちゃんおいで!」
それなのに当の本人は気付くはずもなく。
だからいつまで経っても両想いだということにお互い気づかないんだよ。
「……やだっ」
そんな秀紀に呆れていたら、突然志乃が口を開いた。
しかも拒否する言葉で。
それが誰に向けられたのか、一瞬わからなかった。
「嫌だ、絶対大雅から離れないもん」
俺に抱きつきながら秀紀を見た志乃。
その姿を見て、秀紀は顔を赤くする。
あまりの可愛さに照れてしまったのだ。
「なに…この可愛い子……やべぇな」
ほら、志乃が学校でもこんな感じだったら秀紀のような反応をする奴の方が多いだろう。
だから嫌なのだ。



