「すいません、無理です」
「なんでよー!彼女いないんでしょ?」
「まあそうですけど…」
「だったらいいじゃない!私もフリーだしさ」
「俺にはもう好きなやついるんで」
すぐ隣に張本人がいるわけだが、無自覚だから気づくわけがない。
「好きなやつって…この子供でしょ?」
先輩は睨むような目つきで志乃を見る。
志乃がビクッと肩を震わせた。
いや、普通に俺が腹立つ。
その先輩の態度に。
「まあ子供っぽいですけど、それでも好きなのには変わりないんで。
じゃあもう行きますね」
「えっ、ちょ、待ってよ…!!」
シャツを掴む先輩の手を半ば無理矢理離し、俺は志乃の手を引いて歩き出した。



