「すぐ泣かせるって…仕方ねぇだろ。
女の告白なんて断るしかないんだし」
「せめて連絡先ぐらい教えてやれよ。
そしたら俺が横取りして……」
「秀紀の方がクズだろ、その考え方」
何が横取りだ。
本命の女いるくせに。
その時また同じ方から視線を感じて見てみれば、今度は佐野がこちらを見ていた。
視線の先は秀紀のようで、睨んでるように見えなくもない。
もしかして…と思ったが、秀紀のようなうるさい男をうざがる女は少なくない。
だから頭に浮かんだ考えは消し、また秀紀に視線を戻せばまだぐちぐち言っている。
そんな秀紀をほとんど無視し、俺は志乃が気になって仕方なかった。



