お酒はハタチになってから

「大学、楽しい?」

「まあまあ、かな。授業は楽しい」

時々短い会話を交わすだけ。私もただ呑むだけ。
不思議と、気詰まりではない。
手持ち無沙汰でもない。
こんな時間が案外心地よかったりする。

「渚さんは、変わりない?」

「仕事も生活も、いたって普通」

何の変哲もない日常など思い出すまでもなく、変化などない。

「そう」

この店に通う頻度から考えても予想通りだったのだろう。
それ以上、彼は聞かなかった。