私の娘はお喋り好きでとってもピュア



誰に似たんだろうね



そんな娘から驚きの一言が




「永宮くん、永宮怜央くんだよ」




永宮…





コロン




一瞬で全身の力が抜けた




「どうかした?」




気がついた時には
怜央が心配そうに見つめていた



「な、なんでもないのよ!なんでも!」




そう言えば娘にはまだ
陽人の苗字は教えていなかった




こんなのただの偶然よね





初めは気にしなかった





「お母さん聞いて!
私、彼氏ができた!」




高校に入学してから3ヶ月
娘からのいきなりの告白に驚いた



「すごいじゃない!おめでとう!
今度紹介してよ」



「うん!
ちなみに相手はこの前話した怜央くんだよ」




ほんと怜央はお喋りね






永宮怜央くん…





会えばわかるかもしれない




その年の秋
娘が彼氏を連れて来た




「いらっしゃい、怜央くん」



「お邪魔します」







あぁ、偶然なんかじゃない




神様はなんて意地悪なんだろうか




「ほんと、あの人にそっくりね」



目元なんて特に



ひとりになって呟いた