お母さん。ビッグニュースです


なんと私のクラスに
私と同じ名前の子がいました


漢字まで一緒です


私は興奮して思わず
その子に話しかけてしまいました。


名前一緒だね!
仲良くしてね!



「ってことがあったんだよ!」

夕飯を食べながら私は今日あったことを
お母さんに話した



「へー、そんなこともあるのね。
ちなみに苗字は?」



「永宮くん、永宮怜央くんだよ」





コロン





お母さんが握っていた箸が落ちてしまった




「どうかした?」




少しの間お母さんは固まっていた




「な、なんでもないのよ!なんでも!」



慌てて箸を拾う




私、変なこと言ったかな?






高校生になって3ヶ月が経ったころ


「松末さん、俺と付き合ってください」


「えっ?」



永宮怜央くんに告白されてしまいました



名前が同じことがきっかけで
クラスでもよく話すようになった


でもそんな風に思ってくれてたなんて
全然知らなかった



「わ、私でいいの?」


「…君がいいんだよ」



「そこまで言うなら…いいよ」



気づいた時には返事をしていた



あぁー!
お母さんに告白の返事の仕方
聞いておけばよかった




そして私は
永宮怜央くんと付き合うことになった





怜央カップル


友達にはそう呼ばれていた


最初は冷やかされるのが嫌だった




でも時間が経つにつれて
みんなのリアクションも薄くなり
夏休みが明けてからは



「今日記念日だよね?おめでとう!」



温かい言葉をもらえるようになった




今ではみんなからは
ハイテンションガールとクールボーイ
れおれおコンビ〜なんて言われます。




肝心のお母さんはというと


「すごいじゃない!おめでとう!
今度紹介してよ」



なんて言ってくる



なんだか嬉しそうです




だから
高校1年の秋に家に招いた



「いらっしゃい、怜央くん」


「お邪魔します」


特にプランを立てることなく
私たちの共通の趣味である
ゲームを一緒にやった


すっごい楽しかった!



その日の夜
怜央くんが帰った後



「怜央、あなたはあなたのやりたいように
後悔のない恋をしなさいね」



お母さんが私にそう言った



陽人さんとのことがあったからだと思う



「うん!ありがとうお母さん!」