それから数日が経った


私は完全に病んでいた。


大好きだった人を失って
生きる目的まで見失ってしまったような
目をしていた



やっぱり私、重いか…




なんでなおさなかったんだよ!




後悔の日々



毎日時間が経つのが
ものすごくゆっくりな気がした。




チャラン♪



通知がきた




「よっ、元気か?」



それは陽人からだった



別れた日から今まで学校で顔を合わせることは
あっても話すことはなかった




だから意外だった
まさか陽人から連絡がくるなんて





「どうしたの?」



「元気にしてるかなって」



「元気だよ」



彼女いるくせに何しに来たんだよ


そんな気持ちが込み上げる



「よかった」



会話はここで終わってしまった




ほんとなにしに来たんだろ





あとから気づいた



陽人はそういう人なんだったって




優しいから




私のことを心配して連絡をくれた



「陽人らしいや」



その日から私はなんだか気持ちが軽くなった

「もう、いいかな」


本当はまだ陽人のこと諦めきれてない



でもここでつきまとったりすると

また重いって怒られちゃうから

この想いは気づかれないように

胸の奥に閉じ込めておこう





それからは

友達として
卒業式まで過ごした




そして卒業の日


「会いたくなったら言えよ
すぐに行くから」

いつかの陽人が言ってた言葉



それは友達として会ってくれるの?



結局この日まで
陽人は後輩とは別れることなく一緒にいた



ちょっと期待してた部分もあった
またやり直すことできるかなって





もう遅いけど





「ありがとう」




「おう」







「またね」





「またな」








その日
私はあえて


「じゃあね」や「さようなら」


の言葉を選ばなかった


「またね」


って言ったらさ
また会える気がしたから




また会いたい

そんな願いを込めて最後に彼に伝えた




結局高校卒業してからは1度も連絡をとらなかった