「そう言えば夕雨。誰と結婚したんだ?」



「松末くんだよ。高校同じだった」




「あぁー、あいつか
それよりなんで結婚式呼んでくれなかったんだよ。
夕雨が高校の時
俺が結婚するなら式に呼べって言ってたのに
お前が呼んでくれてねぇじゃん」




「仕方ないじゃない
連絡先知らないんだもの
卒業してから1度も連絡取ってなかったんだから。
陽人こそ呼んでくれなかったじゃないの。
相手は?」




「あの後輩だよ」





すごいな
高校から続いてるなんて…
やっぱり私じゃだめだったんだ



まぁ今となってはどうでもいいことか








「今はいないけどな」





「え?」




「怜央が中学に上がる時に離婚したんだ
実はもう1人子どもがいて、妹なんだけど
そいつのこと連れて出でったよ」




「そう、なんだ…」





聞くんじゃなかった


陽人の顔がくもっていた





なにか、なにかほかの話題を








「俺さ、今でもたまに夕雨のこと思い出すんだ」




「…え?」


「息子から彼女ができたって話をされた時に
ふと思ったんだ。
夕雨、なにしてるのかな…って
でもまさか
相手が夕雨の子どもだとは思ってもなかったけど。
今日初めて知ったよ」




「そうだったの…
あ、そう言えばあの子の名前だけど
陽人からもらったのよ
前に話してたでしょ?
子どもができたらなんて名前つけるの?って」




「あぁ、言ってたなそんなこと
覚えてたんだ」




「当たり前よ。結構気に入ってたから」







「夕雨、なんか変わったな」



「そりゃそうでしょ
もう何十年も会ってなかったんだから」



「そうじゃなくて
思ってたよりお母さんしてるんだなって」



「どういう意味よ!」



「だって夕雨
オシャレも料理もできなかっただろ?
だから意外だった」



「それはどうもー」



あなたと別れて変わったのよ
すごいでしょ?
やればできるのよ


もう遅いけどね