「ねぇねぇお母さん
どっちがいいかな?」



2着のワンピースを持って悩んでいる怜央


今日は久しぶりに娘と買い物




「んー、白かな」


「わかったー!」




高校は春休みで毎日暇らしく
どうしても外に出たかったみたい




「お母さん!次は本屋行っていい?」




「えぇ、行きましょ」




怜央も大きくなったな


隣を歩いていていると
私と同じくらいの身長だった


前はあんなに小さかったのに


子どもって成長が早いわね


怜央を見て思った。





「あ!怜央くん!」


そう言って娘は走って行った




怜央くん?





前を見ると彼氏くんがいた



隣にはもう1人…




陽人…?




「怜央くんも来てたんだ!奇遇だねー」



「あーはいはい」



楽しそうに話す娘




恐る恐る2人に近づく




「こんにちは」




怜央くんに挨拶をする




「あ、どうも
いつもうちの怜央がお世話になってます」



隣にいた男の人に声をかけられた


うん、間違いない



「陽人?」



始めは
気づいていないふりをしようかと思ったけど
そんなことする必要はないわね





きっとこれは怜央が仕組んだものだから



私はすぐにわかった



「お母さん!
私、怜央くんとちょっと行ってくる!
また連絡するから!」



「わかったわ、いってらっしゃい」




私は怜央くんのお父さんと2人きりになった




「ゆう…?夕雨なのか?」



やっと気づいた?



私が名前を呼んだ時は
不思議そうな目で私を見ていた
陽人だったけど
覚えててくれた



「そうよ
ねぇ、ちょっといい?」



そう言って近くのカフェに寄った