─花目線ー

凛「は〜な!お昼、食べよう!屋上でさ!」
花「う、うん。」

凛「ねえ、花はさ、工藤くんの事、嫌いなの?」
花「えっ、な、なんで?」
凛「う〜ん、なんか、避けてるような気がして。」
花「そ、そうかな。」
凛「まあ、話したくないなら、話さなくていいよ!
だって、私たち、会ってまだ2日目だもんね〜。


なんだろう。凛ちゃんが遠ざかって行く気がする。
また、中学校の時みたいに…私の前から。

花「あ、あのね!実は…。」

私は、話した。中学校のときの事。大志との事。
凛ちゃんがどんな反応を示すかは分からない。
でも、ここで話さなきゃ、ダメな気がしたから。

凛「…。」
花「ごめん。こんな奴、嫌だよね…。私の事、見放
してくれて、構わないから…。」
凛「ねえ、花。」
花「は、はい。」
凛「…。」
花「…。」

ダメだった。中学校の時にいじめられてた奴なんて、相手にしたくないに決まってるよね。

凛「…。」
花「…。」
凛「よく、頑張ったね!」
花「えっ!」
凛「ほんと、頑張ったね!」

凛ちゃんは、何度も何度も、「頑張ったね!」と言いながら、私の事を抱き締めてくれた。

すると、私の眼からは、自然に涙が溢れてきた。
今まで我慢してきた感情が、一気に溢れ出すように。

凛「花、話してくれてありがとう。私ね、花には、
なんか近寄りづらい雰囲気っていうのかな?そ
ういうのがあったからさ、花の事、ちゃんと知
っておきたいって思ってたの。だから、今、す
ごく嬉しい!花が、私の事を信じて話してくれ
たのが。そして、花の事をちゃんと知れたのが
。ありがとう。」

凛ちゃんは、今度は、何度も何度も、「ありがとう。」と言いながら、私の事を抱き締めてくれた。

私は、笑ってしまった。

凛「えっ!今、笑うところ!?感動のシーンでしょ
うが!」

凛ちゃんの事、少し知れた気がして嬉しかった。
この感情の表し方が分からなくて、私は、笑ってしまった。