ご飯の片づけをして悠介の部屋に入った。

「あ、はいっバレンタインどーぞ」
「ありがと。今年はどっち?」
「ふぇ…?」
「本命?義理?」
「ほ、本命だよっ…」
「ふーん、なら安心だな」

そう言ってあたしの唇にキスをした。

すごいドキドキして
でも、とっても幸せな気持ちでいっぱいになったよ。

恥ずかしくなっちゃってあらかじめ沸かしてたお風呂に逃げたよ。

「お風呂はいってくるっ」

湯船に浸かりながら色々ぐるぐる考えてた。
悠介のこととか悠介のこととか。
悠介ばっかりだけど。
 
お風呂を出たあたしからはいつもの悠介と同じ香り。
やっぱり好きだな。悠介の香り。
香水じゃない優しいシャンプーの香り。

「お風呂ありがとう」
「久しぶりに家で入ったんじゃない?」
「うん。半年ぶりくらい」
「俺も入ってくる」
「うん。いってらっしゃい」