悠介の家に入る。
行き慣れてるはずなのに…
心臓がどっきんどっきんうるさい…

だって、ふたりきりだよ…?
付き合い始めて初めてふたりきりのお泊まり。
そりゃ意識くらいするよ。

「何食べたい?あたし作るよ」
「オムライス」
即答だな…

まぁあたしも悠介も昔からオムライスが大好きだもんね。

ケチャップライスの味見をしていただこうじゃない。
「悠介、味見」
「はいはーい」
いつもならあたしからスプーンを強奪するのに…
これっていわゆる…
カフェとかでカップルがやってる“あーん”の体制だよね…

やっちゃっていいのかな…?
でも目つぶって口開けたまんまだし。
えーいっやっちゃえっ!

スプーンを悠介の口に入れたら悠介はおいしそうにもぐもぐしてる。
「さすが梨久、分かってんじゃん」
「そりゃ何年幼なじみやってると思ってるのよ」