「この映画凄く評判いいんだって。面白いんだって」

「そっか、楽しみだね」

映画館の1番後ろの座席に座った私は持参した膝掛けを膝にかけた。

冷え性なので、映画館には膝掛けが必須だった。

映画開始時間ギリギリに滑り込めたけれど、彼は今日も忙しそうで少し遅れて待ち合わせ場所にきた。

口数も少なくて、少し疲れているようで心配だった。

今日の映画は恋愛映画で内容は男の子には退屈かもしれないなと、心配だったけれど、案の定開始20分で青くんの静かな寝息が聞こえてきた。