恥ずかしくて俯いてそれだけ答えるのがやっとだったその頃の私は、注意してくれたにもかかわらずしばらくは、深夜のコンビニ通いをやめられずにいた。

さずがに、その後、親に叱られて夜中は家を出してもらえなくなったけれど。

それ以外には、たいした会話を交わした覚えはないけれど、彼は接客業に向いているのか、いつもにこやかに対応してくれた。

「おつりです」

「は、はい」

おつりを渡してもらう時に手が少し触れ合うだけで、ドキドキして幸せな気分になった。