またギュッと力強く抱きしめられて、頭がボーっとしてしまう。

胸が、ドキドキとうるさく騒ぎ始める。

触れ合っている体の部分が、全て熱く感じた。

鞄も落としてしまい、彼の背中に腕をまわした。

「あの、頼むから嫌がるとか逃げるとかして」

だけど今度は困ったように、彼が離れようとした。

「嫌じゃないから逃げないもん」

「桃ちゃん、そろそろ帰ろうか、ええと、離してくれる?」

照れ臭そうな彼の視線に、小さく首を振った。

「や、やだ。もうちょっとだけ」

また、彼の背中に回した腕に力をこめた。

最後は、私が駄々をこねるように彼を離してあげなかった。

ずっとこうしていたかった。

だってあと4日間しか彼女じゃいられないんだもん。

離れたくないよ。