10日間彼氏

「会ったのは偶然なんだよ。職員室に用事があったから。たまたまだよ」

この後に及んでも、彼に嫌われたくなくて言い訳する私。

「わかってるよ、手伝うから一緒に教室いこ」

彼は無表情で答えるので、私はまだ彼が怒っていないか心配だ。

「うん」

彼がほとんど拾い集めてくれたノートをそのまま持って立ち上がる。

「私も持つから」

「いいよ、このくらい」

結局プリントを少しだけ私が持って、他は全部彼が持ってくれた。

「3年1組だよね?」

言って、彼は3年の教室へとつづく階段を上がり出す。